1. 海外に居ながら、日本の就労ビザをどうやってとるか?
日本で働くためには、やろうとしている仕事に合った就労ビザを、とる必要があります。言いかえれば、日本の就労ビザの中に、あなたのやろうとしている仕事が当てはまるものがあるか?ということです。たとえば、あなたがウェイトレスのプロで、10年以上の経験があるから、日本でウェイトレスとして働きたい、と思っても、ウェイトレスという仕事が当てはまる就労ビザはありません。
次に、仕事の経験年数と資格が、就労ビザをとるための、基準を満たしているか?ということです。たとえば、あなたは、お医者さんとして、10年以上、あなたの国で働いています。就労ビザに「医療」というのがあるので、お医者さんとして、日本で働ける、と思うかもしれませんが、答えはNOです。日本の医師免許がないと、資格を満たしているとは言えないので、お医者さんとして、働くことはできません。
もう少し、現実的なことを、考えてみましょう。海外に住んでいる外国人を、進んで雇おうと考える日本の会社が、どのくらいあるのか?ということです。
外国人向けの、求人サイトを見てみると、たくさんの仕事がのっています。でも、そのほとんどが、1番の条件として「この仕事に申し込みたい人は、日本に住んでいること」と書いています。
海外に住んでいる外国人を雇おうと思ったら、その外国人のために、『在留資格認定証明書交付申請』というのを、会社のほうで、入国管理局へ、申請しないといけません。(この証明書は、入国管理局が、” この外国人は日本に滞在するための、ちゃんとした理由があるよ ” と認めたことを、意味します。)この手続きが、なかなか大変なので、多くの会社は、すでに日本に住んでいる外国人を雇おうとするのかな、と思います。
このような理由から、海外に住む外国人が、海外に居ながら、就労ビザをとるのは、とても難しいです。おそらく、出来ることは2つだと思います。
A:海外に住む外国人を、雇おうとしている会社を探して、仕事の内容が自分の経験・資格に合っているか、チェックしていく
B:自分のやりたい仕事と同じ業種の会社を探して、直接連絡をして、履歴書などを送ってみる
どちらも、かなり大変ですが、可能性はゼロではありません。がんばって!
* 参考までに、以下は日本の求人サイトです。
2. 就労ビザのカテゴリ
就労ビザは、全部で17あります。以下がそのカテゴリです:
『外交』、『公用』、『教授』、『芸術』、『宗教活動』、『報道』、『経営・管理』、『法律・会計業務』、『医療』、『研究』、『教育』、『技術・人文知識・国際業務』、『企業内転勤』、『興行』、『技能』、『技能実習』、『高度専門職』
ここでクイズです。下記の仕事は、上記の、どの就労ビザに当てはまるか、わかりますか?
- プロのサッカー選手
- 宝石の加工職人
- 美容師
- マッサージ師
- インテリアデザイナー
ところで、なぜ会社は、わざわざ、海外から外国人を雇おうとするのでしょう?それは、日本人に、持っていないもの、もしくは、日本人だと、なかなか得ることができないものを、持っている人材が欲しいからです。新しく『高度専門職』の就労ビザができたことからも、わかるように、日本は、日本人が持っていない、より高い技術を持っている外国人を雇いたいと考えているのです。
先ほどのクイズを例に、このことを少し考えてみましょう。
- プロのサッカー選手・・・この就労ビザは『興行』になります。
- 宝石の加工職人・・・この仕事は、高い技術を必要とする仕事です。就労ビザは『技能』になります。
- 美容師 & マッサージ師・・・じつは、この2つには、当てはまる就労ビザはありません。どちらの仕事も、日本人にもできる仕事で、日本にたくさんいるからです。
- インテリアデザイナー・・・もしデザインがユニークで、日本とは違う文化を背景にもつデザインなら、就労ビザは『国際業務』になります。
1つ1つの仕事が、どの就労ビザに当てはまるのか、判断するのは、難しい場合もあります。どうしてかというと、仕事の内容だけを聞いたら、ある就労ビザに、当てはまるように思えても、実際の仕事は、違うことがあるからです。仕事の内容と合った就労ビザを申請しないと、許可が下りないこともあります。不安なら、専門家の人に相談しましょう。
それぞれの就労ビザには、どんな仕事が含まれるか、ここでは全部を説明しません。一番人気のある就労ビザを、簡単に説明します。これらの就労ビザに、あなたのしたい仕事、経験・資格が当てはまるものがありますか?
『技術・人文知識・国際業務』:
2015年の4月から、これらは統合されて、1つの就労ビザになりました。これにより、たとえば、通訳として雇われた外国人が、ビザの変更をしなくても、同じビザで、そのままエンジニアとして働くことができるようになりました。(前は、通訳は『人文知識・国際業務』という就労ビザで、『技術』は別でした。だから、もし、エンジニア系の仕事をしようと思ったら、ビザを変更する必要がありました。)おおきな枠の中で、雇えるので、社内での配置換えもできますから、会社としては外国人をより雇いやすくなったと思います。
就労(しゅうろう) ビザのカテゴリ |
どんな仕事(しごと)ができるか? | 条件(じょうけん) | 在留期間 (ざいりゅうきかん) |
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技術・人文知識・国際業務 | 技術(ぎじゅつ) = 理学(りがく)、工学(こうがく)、その他の自然科学(しぜんかがく)の分野(ぶんや)に関係(かんけい)する仕事(しごと) |
大学(だいがく)・短大(たんだい)で、これらの科目(かもく)を専攻(せんこう)して、卒業(そつぎょう)していること(もしくはこれと同(おな)じレベルの教育(きょういく)をうけていること)、あるいは、高校(こうこう)・専門学校(せんもんがっこう)・大学(だいがく)などで、これらの科目(かもく)を勉強(べんきょう)していた期間(きかん)をふくめて、10年以上の仕事(しごと)の経験(けいけん)があること。 | 5年、3年、1年、3ヵ月の滞在(たいざい)が、許可(きょか)されます。*申請(しんせい)するのは、どの滞在期間(たいざいきかん)で申請(しんせい)しても、だいじょうぶです。でも、申請(しんせい)したとおり、許可(きょか)がおりるわけではありません。 |
人文科学(じんぶんかがく)= 法律学(ほうりつがく),経済学(けいざいがく),社会学(しゃかいがく)そのほかの、人文科学(じんぶんかがく)の分野(ぶんや)に関係(かんせい)する仕事(しごと) |
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国際業務(こくさいぎょうむ)= 外国(がいこく)の文化(ぶんか)を背景(はいけい)にした、考(かんが)え方(かた)や、感(かん)じ方(かた)を必要(ひつよう)とする仕事(しごと) たとえば、翻訳(ほんやく)、通訳(つうやく)、語学(ごがく)の先生(せんせい)、広報(こうほう)・宣伝(せんでん)、貿易関係(ぼうえきかんけい)、ファッション・インテリアデザイナー、商品開発(しょうひんかいはつ)など |
3年以上、働(はたら)いた経験(けいけん)が必要(ひつよう) * 大卒(だいそつ)の人が、卒業(そつぎょう)して、すぐに翻訳(ほんやく)・通訳(つうやく)・語学(ごがく)の先生(せんせい)をするのはOK |
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企業内転勤(きぎょうないてんきん) | 国外(こくがい)の支社(ししゃ)から日本(にほん)の支社(ししゃ)へ転勤(てんきん)になった人で、『技術・人文知識・国際業務』の分野(ぶんや)の仕事(しごと)にかかわっていること | 国外(こくがい)の支社(ししゃ)で1年以上(いじょう)働(はたら)いていること * 大学(だいがく)を卒業(そつぎょう)してなくてもOK |
5年、3年、1年、3ヵ月の滞在(たいざい)が、許可(きょか)されます。 |
技能(ぎのう) | 1. 外国料理(がいこくりょうり)のシェフ | 10年以上、働(はたら)いた経験(けいけん)が必要(ひつよう)(勉強期間(べんきょうきかん)もふくめて) * タイ料理(りょうり)のシェフは5年の経験(けいけん) |
5年、3年、1年、3ヵ月の滞在(たいざい)が、許可(きょか)されます。 |
2. 外国(がいこく)に特有(とくゆう)の建築(けんちく)または土木(どぼく)に関(かん)する仕事(しごと) | 10年以上、働(はたら)いた経験(けいけん)が必要(ひつよう)(勉強期間(べんきょうきかん)もふくめて) |
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3. 外国(がいこく)に特有(とくゆう)の製品(せいひん)を作ったり、修理(しゅうり)したりする仕事(しごと) | |||
4. 宝石(ほうせき)、貴金属(ききんぞく)または毛皮(けがわ)の加工(かこう)に関(かん)する仕事(しごと) | |||
5. 動物(どうぶつ)の調教士(ちょうきょうし) | |||
6. 石油(せきゆ)・地熱開発(ちねつかいはつ)のため海底(かいてい)を掘削(くっさく)する仕事(しごと) | |||
7. パイロット | 1000時間以上の飛行経験(ひこうけいけん)が必要(ひつよう) | ||
8. スポーツ指導者(しどうしゃ) | 3年以上、働(はたら)いた経験(けいけん)が必要(ひつよう)(勉強期間(べんきょうきかん)もふくめて) |
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9. ソムリエ | 5年以上、働(はたら)いた経験(けいけん)が必要(ひつよう)(勉強期間(べんきょうきかん)もふくめて) *国際大会(こくさい)に出て、いい成績(せいせき)をおさめていることも必要(ひつよう) |
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経営・管理 2015年4月から、『投資・経営(とうし・けいえい)』は『経営・管理(けいえい・かんり)』へと変(か)わりました。これにより、外国資本(がいこくしほん)・日本資本(にほんしほん)、どちらのタイプの会社かいしゃ)も外国人(がいこくじん)が経営・管理(けいえい・かんり)できるようになりました。 |
自分(じぶん)で事業(じぎょう)をはじめる、または、他(ほか)の会社(かいしゃ)の経営・管理(けいえい・かんり)をする | 日本(にほん)に事務所(じぎょうしょ)をもち、すくなくとも2人常勤(じょうきん)の人を雇(やと)うこと、もしくは、500万円を事業(じぎょう)に投資(とうし)していること(もし、経営者(けいえいしゃ)として他の会社(かいしゃ)に雇(やと)われる場合(ばあい)は、3年以上、経営者(けいえいしゃ)として働(はたら)いた経験(けいけん)が必要(ひつよう)です) | 5年、3年、1年、4か月、3ヵ月の滞在(たいざい)が、許可(きょか)されます。 |
3. ”在留資格認定証明書”をとって、それから”就労ビザ”をとる
なんとか、スポンサーになってくれる日本の会社を見つけたと仮定しましょう。この会社が “在留資格認定証明書” の交付申請をしてくれます。
最初に述べたように、この証明書は、入国管理局が、” この人は日本に滞在するための、ちゃんとした理由があるよ ” と認めたことを、意味します。
入国管理局に、この証明書を、交付してもらおうと思ったら、大きくわけて、2つの書類を、申請書と一緒に、提出する必要があります。
スポンサー会社は:
会社の安定性を証明するために、一番最近の決算書や、今後1年の事業計画書、登記事項証明書(個人事業主なら開業届)などが必要です。どうしてこのようなことを、会社が証明する必要があるかというと、もし会社の経営状況が悪くて、海外から外国人を呼び寄せた後に、倒産したら、この外国人は、働くところがなくなってしまい、生活できなくなってしまうからです。
外国人の申請者は:
必要となる書類は、仕事のタイプによります。一般的には大きく分けて2つあります。
<資格が必要となる仕事>
大学(または同じレベルの教育機関)で何を専攻していたかがわかる卒業証書
* ここが大事です。勉強してきたことと、日本でやる仕事に、関連性があるかを証明します。
<経験が必要となる仕事>
在職証明書 – 仕事の内容と働いていた期間が書かれているもの。もし、1つ以上の会社で働いていたなら、トータルで、何年働いていたかを証明したいので、全部の会社から、在職証明書をもらってください。
* この他に、履歴書、写真、時には出生証明書なども必要になることがありますが、スポンサー会社のほうから、何を準備すればいいか、指示があると思います。
* 提出した書類は戻ってきません。
* 写真・書類・証明書など新しいものを準備してください。(発行後3か月以内のもの)
* 日本語以外で書かれている書類は、日本語の訳文を付けてください。
* 書類がすべて準備できたら、スポンサー会社に送る前に、コピーを取っておきましょう。
すべての書類がそろったら、スポンサー会社へ書類を送ります。スポンサー会社は、自分たちで用意した書類とあわせて、会社の住所エリアを管轄する入国管理局へ行って、在留資格認定証明書の交付申請をしてください。交付されるまで、だいたい、1.5ヵ月から2ヵ月くらいかかります。でも、もっと時間がかかるときもあります。
在留資格認定証明書が交付されたら、スポンサー会社がこの証明書を、あなたに送ってくれますから、この証明書とビザ申請書と顔写真、スポンサー会社がどんな会社かを説明する書類(パンフレットとか)をもって、申請人は、自分の住んでいるエリアを管轄する、日本大使館・領事館へ行って、ビザの申請をします。(国によって、ビザを申請する時に、一緒に出す書類が、少し違います。ビザを申請する前に、自分の国の日本大使館・領事館へ、必要な書類は何か、確認をしてください)
気をつけて!
* 在留資格認定証明書の有効期限は3ヵ月です。証明書が発行されてから、3か月以内に、就労ビザの申請をして、日本に来ないといけません。もし、3ヵ月を過ぎてしまったら、もう一回、在留資格認定証明書の交付申請をしてもらわないとダメです。
* 在留資格認定証明書はビザではありません。この証明書は、入国管理局が、” この人は日本に滞在するための、ちゃんとした理由があるよ ” と認めたことを、意味します。だから、この証明書と一緒にビザの申請をしたら、手続きがスムーズに進みます。また、在留資格認定証明書をとっていても、日本大使館・領事館の人は、提出した書類を全部チェックします。もし、あやしいところがあったり、ウソが書いてあったり、日本に滞在する理由がない、と判断されたら、ビザはもらえません。
Visa Navi Japanが できること
ここまで説明してきたように、就労ビザを申請する外国人が、海外に住んでいて、これらの手続きを進めていくときは、スポンサー会社が、 在留資格認定証明書の交付申請に必要な書類は何か、日本に来るときに必要なものは何か、など、いろいろ教えてくれると思います。
もし、スポンサー会社が、小さい会社、または新しい会社で、 在留資格認定証明書交付申請のような手続がよくわからない、というときは、Visa Navi Japanにおまかせください。お客さまの希望するサービスを提供します。
Visa Navi Japanで、お客さまが準備した書類をチェックすることもできますし、行政書士として、書類の作成から入国管理局への申請手続きを代わりに行うこともできます。
お問い合わせ
もし、日本で働くため、日本の就労ビザについて、くわしく知りたい、質問がしたいという方、お問い合わせページのフォームを使って、なんでも相談してください。
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